38. ブレザー


「……アンタも着るなら、着てもいいけど」
絶対に断るだろうと思って、千石の様子を伺いながらそう言った。そしたらその件はチャラにしようと考えて、これで着なくて済むとすっかり安心しきってい た。
「え〜!オレも、着るの!?」
開いた掌で両頬を押さえながら、眼を大きく見開いている。
「まあ、アンタがイヤなら、このことは──」
ああ、よかったと内心安堵しながら、約束をチャラにしようとしたその時、千石が何の抵抗もなくあっさり言い出した。
「もう!リョーマくんってば、しょうがないなぁ〜。オレも着るから、リョーマくんも着てね!」
ニコニコと笑いながら、肩をポンと叩かれる。やけに乗り気そうなので、益々頭が痛い。
前からずっと考えていたらしい事を、ペラペラと楽しそうに話し出した。
「やっぱさー、オレは、ブレザーよりセーラー服って感じでしょ?リョーマくんも、そう思うよね?ねっ?」
相槌をしきりに求められる。リョーマにしてみれば、引き攣った笑いが出るばかりだ。
「でねでね、リョーマくんはブレザーの制服ねvちゃんと、リョーマくんのサイズだから、その点は安心して。もう全部用意してあるから、後は着るだけ!」
(はぁ?なにが、やっぱな訳?なんなのソレ。その前に、なに基準で選んでんの?…てか、安心って、何が?)
頭の中に大きな疑問符が浮かびまくる。腑に落ちない事だらけだ。最高に、千石に嵌められた感があった。
ぶすっとした顔で、千石を睨みつけたがニマニマとした笑みを浮かべるばかりで、どこ吹く風だった。
元を正せば、ゲーセンで遊んでいる時に、思わず賭けなんて承諾してしまったのが間違っていたんだと思う。
千石の性格から言って、勝算のない勝負なんて言い出すはずもない。そこでおかしいと気付かなかったのが、いけなかった。
今となっては、もう遅いんだけど。なんでこんな男とつきあってるんだろうと思いながら、ため息を吐いた。



*

格ゲーに夢中になっているリョーマの肩が指でツンツンと何度もつっつかれる。
鬱陶しいと振り払うように身体を揺らしたら、その一瞬の画面を見ていなかった内に、相手側のコンボが発動されていた。
あぁもう!と、頭をかきむしる。
このコンボは、決まったら体力ゲージが半分も減るという大技で、隙が大きいから滅多に決まる技ではない。
それが、ほんの少しよそ見をした隙に決められたな んて、ゲーマー的にも屈辱的だった。
リョーマの操るプレイヤーが完全に倒される事が、この時決まった。
邪魔をした男を、眦を吊り上げてキッと睨みつける。
「じゃますんなよ。アンタの所為で、負けちゃったじゃん」
「だって、リョーマくんがオレのこと構ってくれないから、暇だったんだもん。終わったんだから、違う所で遊ぼうよ」
UFOキャッチャーで取ったらしい蛙のぬいぐるみを、腹話術の人形のように動かして無理矢理笑顔を作らせてパクパクさせている。反応が欲しいのか、やけに 顔の近くに近づけてくるのが余計に鬱陶しい。
「やだ。俺は、まだこれやるんだから」
「でも、もう終わっちゃってるよ?」
コンティニューが、0になった画面を指して、ねっと言って顔を横に傾ける。
「あぁ!なんで、それを早く言わないの」
怒りで、拳がプルプルと震える。小遣いをつぎ込んでようやくクリアー出来そうだったのに、千石の所為で全てが台無しになった。
「だって、そんなことリョーマくん聞かなかったし」
「キヨスミのバカ!俺、もう帰る」
椅子から立ち上がって、下に置いておいたカバンを乱暴に背負った。
「……じゃあさ、最後にゲームで勝負しない?」
「えー?…ま、いいけど。なんのゲームで勝負すんの?」
一緒に遊びに来たのに構ってあげなかったのは、微かにだが悪いなとリョーマも思っていたので、その話に乗る事にする。
「テトリスとかやるのも、たまには良くない?もちろん、オレの奢りでいいからさ。ねっ、やろうよ」
「じゃ、一回だけ」
「OK!でさ、なんか折角だから賭けない?」
ゲーム機の椅子に座りながら、千石が笑顔でさらっと言い出した。
その笑顔を警戒しながら、煩いゲームセンターの中で聞いている者はいないと思うのだが、声を潜めて釘を指した。
「エッチなことは、絶対聞かないからね」
「ヤダなぁ。そんなんじゃないって!純粋な好奇心と研究の心からして欲しいことだから、安心してよ」
「それがキヨスミの場合、怪しいんだよ。なにを言ってもアンタが言うだけで、怪しいんだけどさ。どうせ、禄でもないことなんでしょ」
「まあ、いいじゃん!リョーマくんが勝てば、全部問題ないって事だし。さっ、早くやろう」
リョーマくんの勘が鋭くなってる。表情には出さずに思いながら、これ以上追求を受けると賭けが成立しない怖れがあるので、急いでお金を入れて二人で対戦 モードにする。
「好きだったけど、久しぶりだからどうかな」
リョーマの様子を伺うように、何気なく言ってみる。
「俺ね、言わなかったけどテトリス結構得意だよ。俺が勝ったら、ホテルのケーキバイキングね」
始まる間際に、ニッと不敵にリョーマが笑った。
これは、想定外だったな。リョーマくんって、格ゲーかリズム系位しかやらないと思ってたのに。
この日の為に、前から密かに練習していた千石は、計画失敗を恐れて密かに焦りを感じていた。

結果はというと、千石の勝ちだった。
リョーマが押しているように見えたのに、千石に最後にツキがやって来てギリギリの所で負けてしまって、こうして言う事を聞く羽目になってしまった。
リョーマくんのブレザー姿が見たいから、着てというのが千石からのお願いだった。
仕方なく手に取ってはみたけど女物だから着たくなかったのに、結局話の持っていき方に失敗して着ることになってしまった。
リョーマの性格からして、一度した約束は撤回出来ないと解っているらしい。だからこそ千石は、終始余裕の態度だ。
しまりのないだらしない笑みを浮かべながら、思考はこれから始まるドリームワールドへ飛んでいる。
(俺が、バカだった。キヨスミは、こういう特殊な思考をする奴だったんだよ。くそっ!)
千石のことをまたしても読みきれなかった自分にムカついて、チッと舌打ちをした。
「これ、ブレザーセットだから。着替えは、別々がいいかな?後で、見て楽しむのがいいもんね〜。じゃ、オレも着て来るから」
制服一式が入っている紙袋を、リョーマに有無を言わせないように渡す。
フンフンとすこぶる上機嫌そうに鼻歌を歌いながら、リョーマを洗面所の着替え場に残して千石も着替えに向かった。

「なんか、コレ短い…?」
鏡に映るリョーマは、全国の制服美少女マニアなら涎物の極上の一品とでも湛えられそうな姿だった。
自分の背後の姿が気になるのか、首を捻って鏡を見る。
リョーマには少し袖丈が長かったのか、紺のブレザーから指先だけがちょこんと覗いていた。
腰まであるブレザーから、ブルーが主体のチェックのスカートがサイズにして約2cm位その布地を見せていた。
駅の階段を昇っていたなら、下着が確実に見える位、短い。
短めのスカート丈の所為で、適度に鍛え上げられたリョーマの太ももを殆ど露にしている。
普段から日に当たらない部分なので日焼けもしておらず、その白さは目に眩しい程だった。
太ももから裸足のつま先まで、すらっとした伸びやかな足が惜しげもなく見えていた。
不審そうに柳眉をしかめながら鏡を見るリョーマは、黒髪のショートのスポーティーな美少女にしか見えなかった。
千石の手によって、スカート丈も短めに改造済だった。げに恐ろしき男、千石清純。
両親の期待を外れて、名前の清らかさとはすっかり縁が遠い男である。

袋の中を漁ると、紺のハイソックスが出て来た。
(どこまで、こだわる気なんだか……)
千石のこれ以上ない程のやる気が、小道具まで揃えていた事でありありと解って、はあとため息を吐いた。
素足だと直接的すぎるのと足が寂しい気がしたので、しょうがなく靴下も履いてみた。
もう無いだろうと袋を逆さにしたら、ポトッと何かが落ちた。
近くに落ちたリボンタイをもう半ば諦めながら拾い上げて、プランと適当に首にぶら下げるようにつける。
もう一つの方を見て、リョーマの正常な思考が止まりそうになった。
「…………なに、考えてんの!」
下着だ。それも、女物の。
やたらに女の子っぽいビラビラとレースがついた白の下着は、その辺にムカついてぶん投げた。
ドシドシと可愛い見掛けに反して足取りも荒く、一度だけ渋々見せるつもりで、千石の待つ部屋へと向かう。

(うげっ!?この人、マジで着ちゃってるんだけど。しかも、なんでか知らないけど違和感があんまりないし)
セーラー服姿の恋人の姿を見て、リョーマは部屋の入口で固まった。

セーラー服を着ている千石の方は、自分の姉の物であまり手直ししてない物だ。
背格好が似ているし、千石自身合うだろうと変な自信を持っていた。
体型が小柄なのは、いつもウィークポイントなんだけど、こんな所で変な威力を発揮していた。
仕上げにおでこを開けて、普段は垂らしている前髪をヘアピンでクロスさせて両脇に止めている。
背が高い女の子に、いてもおかしくない感じだった。ただし、宝塚の男役にいそうな系統だが。

「うわぁ〜!リョーマくん超可愛いーv」
手の中に隠し持っていた小型なデジカメで、音も立てずに取りあえず大体のアングルでリョーマに気付かれないように激写し出す。
似合うんじゃないかとは思っていたけど、ここまで似合うなんて思ってなかった。期待以上だ。
スカート丈短くしといて良かった。なんで、グッジョブなんだ、オレって!完全に、自画自賛状態である。
スカートの丈が短いのを気にしているのか、足がもじもじしている。リョーマくんの普段見れない姿が見れて、すんごくいい。
シャツのボタンも上まで止めるのが面倒だったからか、ボタンが上まできっちり止められてなくて、その三角の隙間から覗く白い素肌が眼を誘う。
なんといっても、あのすらっと伸びた綺麗な足!普段穿いている短パンより、短くしといて良かった。
リョーマくんには、紺のハイソだと思ったんだよね!清楚な感じが強調されていて、たまらないものがある。
もう白とか、ルーズの時代じゃないんだよ。時代は、やっぱ、紺だよ、紺!
でも、二つ折りの白いソックスに、膝丈のスカートも──いいや、スカート丈は短くてなんぼでしょ!
セーラー服を着たままどこか違う世界に行っている千石を見て、リョーマはまたか…と冷たい視線を送った。

「……じゃ、もう脱いでいいよね」
ブレザーを脱いでその辺にパサッと落として、すぐに着替えに戻ろうと部屋を出ようとした。待ってましたとばかりに、千石がリョーマの身体を捕獲する。
「ちょっ、離せよ!」
「女の子が乱暴な言葉使っちゃダメだよv」
「ふざけんなよ!キヨスミ」
振り上げた手を難なく処理しながら、胸の中に抱き締めて優しくキスをする。
興奮しているリョーマを落ち着かせるように、髪の毛に指をすーっと通しながら、キスを深めていく。
口を塞がれて喋れないので、んーっと苦悶の声をあげながら、胸を拳でドンドンと叩くが、それも深められていくキスの所為でだんだんと力が入らなくなる。 すっかりリョーマが落ち着いた頃合を見計らって、ニッコリと笑った。
「着せたら、脱がす!これ、常識だから。後の事は、オレに任せといて」
「やだ。そんな常識なんて、ない!」
我に返ったリョーマが暴れる前に、自分のしていたエンジ色のスカーフをしゅっと制服から取って、リョーマの手首を手際よく後手に拘束する。
柔らかいから手が痛むことはないんだけど、いくら動かしてもそれは緩もうとしない。お定まりの展開で、ベットに身体を運ばれる。

リョーマに自分の顔を近づけて、最近購入したばかりの最新式の画素数が大きいデジカメでツーショットの写真を何枚も撮る。
撮られるのを嫌がって顔を背けるリョーマを押さえつけながら、「変な気分になるよね」と自分でやっておきながら照れくさ気に頬を指でぽりっとかいて、身体 を離す。
不機嫌な顔をしているリョーマに、スマイルを要求するが無理だとすぐに悟って、これはこれでいいかと呟きながら、単体の写真をカメラに 納めた。
後で怒ったリョーマに消された時の保険用に、開いておいたPCにデータを送る。各所に分散させて、貴重なデータを送った。
撮影会を終えて満足した千石は、リョーマの胸元から邪魔なリボンタイを取って適当にその辺に放り投げた。

「やめろよ。これ、取れよ」
自分の身体の上に乗る千石を、睨みつける。じたばた暴れた拍子に短いスカートが上の方へと捲れていって、更に千石の眼を楽しませる結果になっていた。
「そんな恐い顔してると、折角の可愛い顔が台無しだよ。それに、こういうのもたまにはいいんじゃない?」
「絶対、よくない!」
「そうかな…?」
スカートに仕舞ったシャツを引き出して、その隙間から手を侵入させて、滑らかなペタンとしたお腹をそろそろと這いながら、胸を愛撫する。
「まだ胸も小さいんだね。心配しなくても、大丈夫!オレの愛情で、大きくしてあげるからねv」
色々と血迷った事を言いながら、敏感な部分を親指と人差し指を使って、キュッと先端を摘んで手際よく刺激し出した。
「っあ……」
リョーマの身体を知り尽くしている千石は、どこをどうすればリョーマが感じるかよく解っていた。
反応してしまった自分にも怒りながら、千石に赤い顔を見られないように首を振る。
「ねっ、いつもより反応が敏感だよ。リョーマくんも興奮してるんでしょ?」
わくわくする期待と共に、短いスカートをペラッとめくるといつものトランクスだった。
それを確認した瞬間、千石はガックリと肩を落として、ふうとやるせないため息を吐いた。
「下着も渡したでしょ?セットなんだからさー、ちゃんとはいてきてよ。そんなリョーマくんを見るのをすごく楽しみにして勇気を出して買ったのに、オレ凄 いショックなんだけど」
「あんなもん男が着るわけないだろ!そんな勇気なんかドブに捨てちまえ!このド変態!」
「もう、しょうがないなぁ」
トランクスをずるっと下までひきずり下ろして、抵抗を巧みに利用して両足から取った。
「これで、ノーパンだよね。こっちは、いつも素直なのにね」
ふふっと笑いながら、スカートの中に頭を入れて、直接パクッと萎えているリョーマのものを口の中に咥える。
「やだっ、やめ…てよ」
身動きした所為で千石からの刺激をより直接感じ取ってしまって、リョーマの声が掠れる。
短いスカートの間から千石のオレンジの頭が少しみえるだけで、なにをされているのか見えない。舐めている音だけぺちゃぺちゃと聞こえてくる。手が使えるな ら、耳を塞いでしまいたい位、恥ずかしい。
動くと逆効果で動くに動けなくて、碌な抵抗も出来ずに千石の成すがままにされていく。
「んっ…、リョーマくん気持ちいい?」
口から離して、解すように全体をやわやわと揉んだ後、急に裏筋を指で扱くように強めに刺激する。
「……んあっ……あぁ!」
小休止するように息を吐いていた所に、強い快感がビクッと身体に走って力が抜けそうになる。
そこを逃さずにまた咥内に深く迎え入れて舌で全体を舐め上げて、絶頂の一歩手前まで押し上げていく。
まずは、リョーマの抵抗を奪おうと言う作戦だ。その作戦はかなりの効果を発しているらしく、リョーマは言葉も出ずにただ喘ぐだけで、大きな瞳に生理的な涙 を溜めながら必死にこらえている。
この辺でいいかと口から放して、スカートをめくってリョーマの白いお尻をペロンと丸見えにする。
自分の唾液とリョーマの先走りの液でべたべたになった手をペロッと舐めながら、慣らすように指を一本づつ入れていく。
何事も準備が大事だよね。テトリスのやり過ぎで、タコが出来て固くなった指も追加で入れる。
「もう我慢出来ないんじゃないの?」
わざと中の一番感じる部分を指の先でぐりぐりと刺激させて、それが適えられた時の快感をリョーマに思い出させる。
「ねえ、清純先輩、してって言ってよ」
「そんなの、やだっ…」
変な事を言いたくなくて、口をぎゅっと引き結ぶ。
「一回でいいから、お願い。言わないと、ずっとこのままだよ?」
千石が意地悪な顔をして、爪で感じている先端をぐりっと抉る。
すぐにそれを労わるように、決定的なものには繋がらない刺激をそっと与える。

「……し…て。キヨスミ…せん……ぱ」
その緩急をつけた何度も繰り返される攻めに、耐久力のないリョーマはこれ以上耐えられなかった。
言いなりになってしまった自分が悔しいのか唇を軽く噛みしめながら、熱に浮かされた潤んだ目を千石に向けて、囁くように言った。
ズキューン!心臓にメガトンパンチを食らった気分だ。
ボタンだけ外してあって、だた羽織っているだけのシャツに乱れた制服姿もあいまって、くっと身悶えしてしまう位可愛い。
リョーマくんを我慢させて、オレもここまで我慢してよかった。
楽あれば苦あり、苦あれば楽ありってこういう事?
不思議な理解力を見せるが、真の意味は絶対に違うだろう。
可愛いおねだり通りに、自分の限界まで熱く硬くなったモノをすぐにリョーマの中に入れる。
リョーマの痴態を目にしていた千石も、とうに我慢の限界だったのだ。
はあと、安堵と満足から来る吐息をリョーマが切なく漏らすと、ビクビクッと中で千石のモノも強く締め付けられた。
「スカートって、こういう時邪魔だね。でも、見えないから恥ずかしくないんじゃない?」
上で動く千石のまだ着ているスカートが、リョーマの身体の上にかかっていて何も見えなかった。
「……こんなの、や。普通の方がいい」
ようやく解放された手で、千石の髪の毛をぐしゃぐしゃに乱して、いつもは付いていないヘアピンを頭から無理矢理に取る。
髪の毛が抜けた痛みに顔を顰めながら、フッと笑った千石は自分の着ているセーラー服に手をかけて脱いだ。
リョーマの顔にいくつもキスを落としながら、
「じゃ、これが終わったら、次はリョーマくんの希望通りに普通にヤろうね」
と、汗を流しながらニコっと笑う千石に、文句を言う気力もなくなっていたリョーマは気をやりながら意識を失って、その後も千石が満足するまで貪られた。



「もうしないから、リョーマくん許して。お願い!」
ペロッと心の中で舌を出しながら、今日はねと密かにつけ加えながら、怒っているリョーマにひたすら低姿勢で謝り倒す。
「…うそだ」
千石の嘘を鋭く察知したのか、翻弄されて疲労感の残る身体をベットから起こして、恨みがましい目で千石を見る。
「嘘じゃないって、ゴメン。だって、リョーマくんが可愛すぎるんだもん。制服も超似あってたしさ」
「知らない。もう帰る」
ベットから立ち上がろうとして、立ち上がれないことに気付いて、信じられないと眼を見開く。
「気持ち悪いから、お風呂!」
隣にいる千石に、拳をブンと振り上げる。
その様子を見て、ベットから立ち上がれないことに気付いた千石がリョーマを抱きあげる。
「はいはい。オレが、責任も持って身体の隅から奥まで全部洗います。いや、洗わさせて頂きます!」
「キヨスミのバカっ!もう二度と、しないから!」
「わかった」
リョーマの頬にチュッとキスをしながら、リョーマをお風呂に連れて行った。


ん〜、今度は、ナース服がいいかな。ピンクよりは、白かな。うふふふっv
懲りることを知らない千石を前に、リョーマが再び大変な眼にあうのは目に見えていた。
「…なに、そのにやけ顔?」
またよからぬ事を考えていそうな千石の顔を、お風呂に入ってようやく人心地のついたリョーマが疑惑の眼でじっと見る。
「え、元からだよ」
ドキっとしながらも自分の顔を指して、へらっと笑ってみせた。
「…そっか」
あっさりと納得した上に、そうだよねと千石の顔を見ながらリョーマは何度も頷いている。
もっと粘られるかと思ったのに、その納得の仕方ってちょっと微妙かもしれない…と、千石は思った。






Wコスプレエッチ+着衣プレーのOPに拘束のおまけつきで!
千石さんの野望が、一つ叶いましたv
この日の為に、入念な準備は前からバッチリです!
エッチに関しては、労力を厭わない男!それでこそ、千石清純です(笑)

05.08.04 up→06.05.05 改稿 up

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